日本人が主食としているお米、毎日食べても食べ飽きない美味しさ、愛犬にも味わってほしいところですが、お米を与えても大丈夫なのでしょうか?
犬が食べてもいい野菜や果物はあるけれど、お米って穀物だからどうなんだろう?疑問はつきませんよね。
- 米を主食にしても犬にとって栄養バランス的には問題ないの?
- 犬にお米を食べさせる際の注意ポイント
そこで今回の記事は、犬にお米を与えても影響はないのか、与えるに際の注意点をご紹介します。
米を主食にしても犬にとって栄養バランス的には問題ないの?
お米を使った手作りご飯のレシピ本を見かけたことはありませんか?
市販のお米を原料としたドッグフードやおやつまで販売されています。
お米に含まれた栄養価が、犬の健康に役立つことからこそ使われているいるんですね。
なので、お米が入ったものは問題なく愛犬に与えても大丈夫ですよ。
ただ、『炊いたご飯』や『おかゆ』加熱処理をした状態でないといけません。
主食として食べさせるのは、いいのか、よくないのか?与えてもいけますが、ドックフードとの併用をオススメします。
もちろん、お米オンリーだけを与えて続けることはダメです。
手作りご飯も栄養たっぷりですが、補えない栄養素がでてくるため、栄養がどうしても偏りがちになると言われているのです。
誤解がないように、手作りご飯がいけないということではありません。
お米を使った手作りご飯をしている人は、ビタミンとなる野菜やお肉・魚を加えて栄養バランスを調節して整えましょう。
犬はもともと肉食動物であり、人間と生活を共に過ごしていく過程で、雑食性へと進化を遂げたと考えられています。
そのため、お米や穀物類を食べることができます。
犬が必要とする栄養素であるタンパク質は、お米に含まれていますが、最も大切なのは動物性のタンパク質と脂質です。
しかし、犬の消化器官は人間の構造と違い、炭水化物であるお米を消化することがあまり得意ではなく、苦手なのです。
柔らかくしてあげれば、消化がよくなります。
栄養価も高い食材なので、バランスを取りながら与えてあげましょう。
お米の栄養と効果
お米の栄養素はよく含まれています。
①炭水化物
お米の炭水化物は犬の体内で素早くエネルギーと変わり、体を動かすのに必要不可欠で、非常に大切な栄養です。
また、脳と神経が活発に働くよう老化防止を促します。疲労回復にも役立つ役割があります。
②植物性たんぱく質
たんぱく質は消化酵素によって、体内で一旦アミノ酸に分解されていきます。
そこで、筋肉・血液・皮膚・骨・細胞などのもとになる主成分たんぱく質に変わります。
アミノ酸のうち体内では作り出せないものがあって、食事から取り入れる必要のあるアミノ酸があります。
「必須アミノ酸」と呼び、 動物性タンパク質に比べて、植物性たんぱく質はアミノ酸が少ないとされています。
過小評価されがちな植物性たんぱく質は、エネルギーになることもあるため、大事な栄養素には変わりありません。
③でんぷん
お米に含まれた上質なでんぷんは、犬の消化器では消化しにくいのですが、同じでんぷんでも、お米のデンプンは消化やすいのが特徴です。
デンプンそのものは犬にとって特別必要な栄養素ではありませんが、そのままエネルギー源としても利用されます。
「難消化性デンプン」がお米に含まれていて、でんぷんの成分が小腸で吸収しされずに大腸まで届き、善玉菌によって発酵され、腸内環境を良くする効果があり、食物繊維と同じような働きをします。
その他にも、骨を強く丈夫にする「カルシウム」、米の中の含有量はわすかであるが「鉄」も含まれています。
ナトリウムやリン、皮膚や粘膜を健康に保つ「ビタミンB1、B2、B6」などのビタミン類と幅広い栄養が含まれています。
雑穀米・玄米は食べられるの?
お米以外に雑穀米や玄米など様々な食材があります。この2つの食材を与えていいのかご紹介します。
雑穀米
雑穀米も犬が食べても問題ないです。
いろんな種類の雑穀が混ざっているので、お米に比べてミネラルなどの栄養素がたっぷり入っています。
雑穀は長時間水に浸して、しっかり炊き上げたものを与えてください。
お米の硬さは、消化を良くするために、普段より柔らかめにするか、おかゆ状にする必要があります。
粒が大きな雑穀が気になる場合、細かく潰すとよりいいでしょう。
アレルギー反応がでる食材ですから、食べさせた後は様子をみてください。
玄米
食物繊維とビタミンの含有量が、お米に比べて豊富に含んでいます。
玄米を使う場合、炊き上がりがお米よりもパサつきやすいので、水分を多くして柔らかく炊きあげてあげましょう。
ただ、 お米よりアレルギー反応が出やすい食材なので、 お米と同様にアレルギーに注意が必要です
犬にお米を食べさせる際の注意ポイント
肉を主食として食べているので、お米の与え方やアレルギーについて、しっかり理解した上で与えることが愛犬のためでもあります。
お米の注意点
- エネルギー補給に最適だけれど、糖分が多く血糖値を上昇させやすい
- カロリーが高めである
血糖値が高くなるということは、糖尿病などの病気にかかるリスクも上がり、食べすぎると肥満の原因にもなります。
お米の与え方
【ドックフードと合わせて利用する場合】少しずつ加えて、愛犬の体調のチェックをしながら与えます。
最初はドックフードに対して、1割くらいをお米にしましょう。
【手作りのご飯で主食として利用する場合】
およそ、1日当たりの適量が「体重5㎏」の犬なら「300g」ですが、あくまで目安であるので、愛犬にとって適量を見極めてあげましょう。
アレルギーに注意
お米を少し食べさせたとしても、体質に合わないと痒みなどのアレルギー反応が出る可能性が十分にあります。
もし、食べた後に、嘔吐・体を掻きむしる行動や発疹などが現れたら、アレルギー症状と疑った方がいいです。
お米を食べさせることを中止して、すぐにかかりつけの動物病院を受診しましょう。
アレルギーを持っているかわからない時は、病院で先に検査して食べても問題ないと分かってから与えてみるのも、ひとつの方法です。
与えすぎには注意
基本的にお米は消化によい食材ではないため、たくさん食べると下痢や嘔吐・消化不良を起こし、愛犬の体に負担を与えることになります。
柔らかくしたお米なら、それほど消化に関して心配はないです。
量は必ず微調節しながら、与えるのがポイントです。
お米の固さは愛犬の体調をみて
普通に炊飯器で炊いたお米を食べさせてもいけますが、翌日はお米は固くなっているので、そのままでは与えないようにしましょう。
固くなったお米は水で煮込む以外に柔らかくならないので、与えるなら炊きたてのお米が理想です。
アツアツは火傷してしまうため、適度に冷ませてから与えるとちょうどいいですよ。
また、お腹を壊す可能性も低くはなく、日にちがたったお米はできるだけ避けてください。
子犬や老犬・胃腸が弱い犬・体調が悪い時には、多めの水で柔らかくしたお米を用意しましょう。
ペースト状にすると、さらに消化によいのでおすすめです。
味付けはなしで
美味しく食べて欲しいからどうしても味付けをしたくなりますが、お米に甘みがあるので、素材の味を生かして、基本的に味付けはなしにしましょう。
もし味付けをする時は、愛犬が病気にならないために、塩分と糖分に気を付けながら、味の調節をする必要があります。
人間が食べてちょうどいい味付けと感じたら、その味付けは犬にとっては濃すぎます。
まとめ
犬にとって「お米」とはそれほど悪い食材ではなく、加熱処理をして与えればエネルギー源となり、食生活に活用できる食材です。
お米は主食に足すものとして扱い、手作りする場合、野菜などをバランス良く合わせましょう。
お米に対しての消化力が弱いため、消化不良にならないよう与える量に気をつけなくてはいけません。
また、穀物はアレルギーを引き起こす可能性が十分にあることから、初めて食べさせる時は、アレルギー反応がないか愛犬をよく観察しましょう。
食べすぎて健康を害してしまうのは本末転倒です。
愛犬の体のためと思って、適量を心がけてくださいね。
愛犬との幸せな暮らしのために、お米をひとつのアイテムとして活用していきましょう。
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