愛犬が水をよく飲むばかりで食欲が落ちている…。生きるために絶対に飲み水は欠かせないし、飲むことはとても重要です。
気候や暑さ寒さの影響に関係なく、犬が水をよく飲むようになるのは病気の症状のひとつとして現れている可能性が高いです。
- 水ばかり飲む原因
- 犬が飲む水の量はどれぐらいが適量?
- 獣医師に相談した方が良い症状とは?
今回は水ばかり飲む量が増加するとどんな原因があるのか、水を飲む以外でどのような症状が見られたら獣医師に相談すべきなのか解説します。
水ばかり飲む原因
ストレスや特定の疾患にかかると水ばかり飲むようになります。
軽度のケースを除くと重大な病気が隠れていることが多いものです。どうして水ばかり飲むようになるのか数多くある原因を探ります。
腫瘍(ガン)
腫瘍の中でも悪性の腫瘍を発症すると、腫瘍が自ら作り出す物質の影響を受けて水ばかり飲むようになります。
細菌感染(子宮蓄膿症)
避妊手術を行っていないメスの犬に限定される細菌感染が原因で起こる疾患です。
「子宮蓄膿症」は子宮に膿が溜まる病気で、細菌感染による体温の上昇や細菌が毒素を排出するため、飲む量が増加します。
おしっこの増加も見られる他、食欲低下や嘔吐の症状も加わります。
慢性の腎臓病
体内の老廃物をろ過しておしっことして排出の働きをする腎臓の機能が悪くなると、体に必要な水分も一緒に排出されるため水をたくさん飲む原因となります。
腎臓で薄いおしっことなってどんどん排出を繰り返すため、脱水状態にかかりやすくなり、水分を補おうとして水ばかり飲むようになります。
「水ばかり飲んでおしっこの量も増えた」この段階で異変に気づけると早期発見にもなり早く治療を開始できます。
内分泌系の疾患(糖尿病)
糖尿病になると血液中に大量にあふれた糖分がおしっことして外に排出され、糖分と水分が一緒に出ていくため、喉が乾き水をたくさん飲むことになります。
嘔吐や下痢に加えて食欲があるのに体重が減る症状も見られたら糖尿病の疑いがあります。
薬による副作用
服用している薬によって、副作用の症状で喉が乾きやすくなり飲み水を増やすものがあります。
また治療のためにステロイドを使っていると、ステロイドが利尿作用の働きをするためおしっこの量が増加傾向になります。
精神的な影響を受けて
ストレスや緊張を和らげるため、心理的影響を受けて水ばかり飲むことがあります。
留守番する時間増え以前より飼い主と過ごす時間がなくなった、飼い主の気を引きたいなどでも多飲を繰り返します。
遊び回数を増やしてあげる、コミュニケーションをとる時間を増やすなどストレスを溜め込まない生活を心がけてあげる必要があります。
乾燥や暑さで喉が渇いている
気温が高く暑い日は犬も人間も喉がカラカラに渇くもの、喉が乾くぶん自然と水分量が増えますよね。
他には冬場のエアコンが常についた部屋にいると空気の乾燥で水を飲むようになり、水を飲むことで喉の渇きを解消していると考えられます。
一概に病気が原因となっていないケースもあるため、広い見解を持ってさまざまな原因を探るようにしましょう。
犬が飲む水の量はどれぐらいが適量?
気候によって飲み水の変化が多少ありますし、平均的な範囲で数値に変動は少なからず起きます。
暑い夏には、飲む量は増えることは予想されますよね。あとは、散歩や運動後もたくさんの水分をほしがります。
上記のことをふまえて一体どれぐらいが適量なのか、犬が飲む平均的な水分量を知ると、いざという時に困らず対処ができますね。
飲み水の水分以外に、食事の水分量も左右されますが、必要なも水分量を測るには「体重1kgあたりに50~60ml」と言われています。
体格別に犬が1日に必要とする平均的な水分量の目安で、愛犬の体重に合わせて計算してくださいね。
大型犬・・・20kgで1000cc~1200cc
中型犬・・・10kgで500cc~600cc
小型犬・・・3kgで150cc~180cc
通常、おしっこの量が増加しているのは、水を飲む量も増加していると考えて良いです。
水を飲む量が1㎏あたり「100mlを超える」と、病気の可能性が高いので病院へ連れていき診察を受けてください。
全ての水分量を把握しにくい
食べているドッグフードが「ドライタイプ」の場合の水分量は約10%、「ウェットタイプ」の水分量は約70%かどうかで水分量が違います。
ドライタイプで食事していると、ドライフードと同じくらいの水を飲む必要が出てきますが、ウェットタイプはすでに水分が含まれているので飲み水の量は少なく済みます。
また「加湿器をかけた部屋に居ているか」
「部屋が乾燥している」この差で喉の渇きも違うため水分量に変化が現れます。
食べたドッグフードの水分量を差し引くことに始まり、「その日の行動」「運動量」「気温」から水分量を毎日細かい計算するのはとても大変なことです。
飲水量がわかる方法
1日でどれぐらいのんでいるのかがチェックが必要です。あらかじめ決めておいた水分量(毎回一定に)を容器に用意して愛犬に与えます。
容器に「追加した量」や「余った量」はその都度変わると思いますので、器に戻し入れて計算するとだいたいの飲水分がわかります。
100ml以上飲んでいたかの確認と同時に1日におしっこをした回数を記入しておきましょう。
おしっこの量が多く1日「6回以上」排泄する状況は、病気にかかっている可能性が高く病院で検査を受けることをおすすめします。
毎日欠かさずに水分をどれぐらい飲んでいるかチェックすることは大変ですが、水分の増減の異常を察知しやすくなります。
何となく、もしくは少しでも何かおかしいなと思ったら水分量のチェックをおすすめします。
獣医師に相談した方が良い症状とは?
愛犬がよく水を飲む姿に気づいたら飼い主さんが出来ることは、「観察」「生活に変化はないか」をメモして確認しましょう。
何を観察すればいいの?
【1】水を飲む量を観察
最低限必要な水分量の目安の計算は「体重×50~60ml」で割り出します。
実際に愛犬が1日どれぐらいの水分を摂っているのか、おしっこの量と回数を調べて記録しましょう。
《飲水量がわかる方法》のところで書いた内容と同じ説明になりますが、(与えた水の量)-(余った水の量)を差し引いた数字が愛犬が飲んだ量です。
【2】気温の変化で暑くなった
暑くなると自然と水分量が増えてきます。
【3】ドッグフードの変化は?
ウェットタイプからカリカリのドライフードに変更すると、ドライフードの水分量はウェットタイプに比べると少なく食事の時に水を飲む量が増加します。
【4】下痢はしていないか
下痢をすると脱水症状にかかりやすいため水をよく飲むように、また、水を飲み過ぎて下痢を起こしていることもあるので、よく観察してください。
【5】よく水を飲む姿を見かける
ふと見ると、「あれっまた水を飲んでる!」て様子はありませんか?
水を入れている容器がいつの間にか空っぽになることがよくあれば、いつもより水を飲んでいる証拠です。
【6】食欲はどうか
食欲が落ちていればすぐ異変として気づきやすいですが、「食欲があるのに痩せてきている」「食欲があるのに水をよく飲む」の2つのどちらかがあれば注意です。
【7】毛並みや皮膚の状態が悪い
毛並みに艶がなく、脱毛で皮膚の状態が悪くなっていると体に変調を起こしている可能性があります。
【8】熱や嘔吐はないか
体温が上がると喉が乾きやすくなり、嘔吐は水分が失われ出ていくため水分を欲します。
「水をよく飲む」以外に「嘔吐」「下痢」「食欲低下」「毛並みと皮膚の変化」が見られたらすぐに獣医師のもとへ愛犬を連れていってください。
犬が摂る飲水量は一時的に増加することはあるので、飲んでいる水の量を確認する場合、1日分の記録で終わらせずに最低3日分の様子を記録をしましょう。
まとめ
愛犬の健康チェック方法として、飲み水の量を普段から知り把握しておくことも非常に重要です。
急に水ばかり飲むようになり、でも食欲が変わらずにあるからと「大丈夫だろうと」見落とさないようにしましょう。
(体重×50~60)で計算すると「必要な水分量」がわかります。
「喉が渇いてるだけだろう」と安易に考えずに注意深く愛犬を観察してください。
水を飲む量の変化と下痢や嘔吐の症状をチェックして、検査を受けさせるために早めに動物病院に連れて行ってあげましょう。